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マイクロチップ

明日8月9日は臨時休診とさせて頂きますので、ご了承下さい。

さて写真の器具、何かわかりますか?

 

これはマイクロチップを挿入するための専用器具です。

これを使い、長さ10mmほど、太さ2mmほどのマイクロチップを皮膚の下に埋め込みます。

マイクロチップには1個1個異なる番号が振り分けられており、

専用の機械でその番号を読み取ることができます。

(読み取るときは動物に負担は全くありません)

マイクロチップの挿入・番号の登録をしておくと、

万一ワンちゃん・猫ちゃんが行方不明になってしまったとしても、

自宅に帰れる確率が格段に上がります。

この時期になると、

雷の音や花火の音に驚いて、パニックになり逃げ出してしまう子の話を耳にします。

また自宅の子が行方不明になってしまったため、

病院に捜索願のポスターを貼らせて欲しい、という方も1ヶ月~2ヶ月に1回くらいは来られます。

「マイクロチップは入っていますか?」と尋ねると、

決まって「入れておけばよかった」という返事が返ってきます。

確かに普段は全く使う機会のないマイクロチップですが、

(使う機会がないほうがいいですよね)

あくまで何かあった時のために、という保険です。

費用は数千円ほどですので、一生の保険、と考えればそれほど高いものではありません。

また静岡ですと震災も心配される地域ですので、

入れておくに越したことはありません。

やや太い針先ですが、

殆どの子が通常の注射と同じ程度の痛みで

1秒でマイクロチップを入れられますし、局所麻酔を使えば痛みなしでできます。

(とはいっても局所麻酔を注射する僅かな痛みがありますので、

あえて局所麻酔をかけるメリットはないかと思います)

マイクロチップ装着に伴うトラブルとしては、

・マイクロチップの体内での移動

(背中の皮膚の下に入れたのに、肩の皮膚の下に移動する、など)

・アレルギー反応

・マイクロチップ挿入部の腫瘍性変化

等の可能性があるそうです。

海外では副作用の発生率が0.0001%程とされており、

その大部分が体内での移動ということです。 

個人的にも体内で本来の位置より少し移動した以外の経験はなく、

殆どの獣医師もマイクロチップ挿入のトラブルを経験していないと思います。

もし体内での移動が起きても、痛みがなければ移動してしまっても問題はなく、

番号の読み取りにも支障はありません。

(関節周囲に移動すると痛みが出ることもあるようです)

あくまで保険ではありますが、

いざという時のためにマイクロチップの挿入も考えてあげてくださいね。

なおマイクロチップの番号を登録・照会する機関がいくつかあるのですが、

その中で照会しづらい・連絡がとりづらい機関があるようです。

いざというときのマイクロチップですので、そのような状況では困ってしまいます。

登録先の確認についてもご心配な方は当院までご相談下さい。