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内出血

現在入院治療をしているワンちゃんですが、

このように皮膚や口の粘膜に内出血の痕が見られます。

歯茎からも出血したような様子が見られます。

 

 

 

このワンちゃんは、血小板減少症という病気で、

血液の中に存在する血小板(血液を固める作用を持つ)が異常に少なくなってしまっているために、

出血が止まりにくく、ちょっとしたことで出血や内出血が悪化してしまいます。

ひどくなると胃腸からの出血が起きて、その出血が止まらないため、生命にかかわる状態になってきます。

 

血小板減少症の原因もいろいろありますが、

通常は免疫抑制剤というもので治療することが多く、

現在このワンちゃんも免疫抑制剤を使用して治療中です。

元気や食欲があっても、このような内出血から病気が見つかることもあります。

普段から体の様子をよく見てあげることはとても大切です。

「あれ?おかしいな?」と思ったら、

ちょっとしたことでも構いませんので、ご相談下さいね。

 

ちなみに、こちらの写真は

健康なワンちゃんの血液を染めて顕微鏡で見たもので、

黄色の丸の中が血小板、赤い丸の中が好中球という白血球の1種、

その他に沢山みられる赤い丸いものが赤血球です