12月は比較的暖かかった静岡ですが、さすがに1月は寒いですね。
人間は寒くなると関節が痛くなりやすいものですが、動物でもやはりその傾向はあるようです。
関節の話から始めて関節の話とは少し異なるほうへ行ってしまいますが、
今回は足の異常について。
写真1枚目はひざから太ももにかけてのレントゲン画像です。
画面の右側の骨と左側の骨の違いがわかりますか?
太ももの骨(大腿骨)の黄色の丸の中が左の方が白くモヤモヤした感じになっています。
汎骨炎(はんこつえん)という骨の異常です。
特定の品種で、かつ若い子に起きる病気であることがわかっていますが、
個人的な経験ではほとんどが若いジャーマン・シェパードの子です。
根本的な治療法はなく複数の足に痛みが出る事がありますが、
だいたい2歳くらいまでに痛みもなくなりますので、
痛みが強い場合には鎮痛薬で抑えていくことになります。
このレントゲンの子は1歳4ヶ月ほどの時に痛みが出ましたが、
幸い1本の足が痛いだけですみ、痛みも痛み止めですぐに改善しました。
2枚目の写真はボーダーコリーの子で、
かかとの部分を横から見たレントゲン画像です。
写真左側の赤い部分(かかとの骨から皮膚まで)が、右側と比べ厚くなっています。
かかとが腫れている、というだけのことですが、
この子の場合腫れてしまった原因は、
浅趾屈筋腱脱臼(せんしくっきんけんだっきゅう)というものです。
ひらたくいえば、かかとの骨にくっついているアキレス腱が、
かかとの骨から剥がれてしまったような状態、
といえばそれほど間違いではないかと思います。
とても痛そうな気がしますが、意外と痛がる様子がなく、
足を少しかばう、程度のこともあります。
シェルティーやコリー系統に多く、
とくに肉付きのいい子に起きやすいようです。
ここに挙げた以外にも、骨や関節・靭帯のトラブルは沢山あります。
足の様子がおかしい時、寒さの影響かな!?、と判断せず、
早めに受診するようにしてあげて下さいね。
汎骨炎
浅趾屈筋腱脱臼”