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貧血のワンちゃん ~非再生性免疫介在性貧血~

くちびるをめくって歯茎や口唇の内側の色を見てあげたことはありますか?

通常はピンク色をしています。

写真の歯茎はダックスちゃん、通常よりも歯茎の色が白くなっています。

このような場合、貧血かもしくは血液の流れが非常に悪くなっている可能性が考えられます。

このダックスちゃんは貧血がひどく、原因追及のため、

本日全身麻酔をかけて骨髄(骨の中)の検査を行いました。

画像のような特殊な針を太ももの骨や腕の骨に刺して骨髄を調べます。

当然痛みがありますので、麻酔をかけて行いますが、

傷や負担はそれほど大きくなく、麻酔から覚めれば普通に歩けます。

骨髄の検査から、このダックスちゃんは非再生性免疫介在性貧血という、

なんだか長い名前の病気であると診断しました。

 

徐々に進行する貧血の場合、ひどくなるまで症状が出ません。

でも口の粘膜の色を観察してあげると早めに発見できることがあります。

口の中は重要な体調のバロメーターです。

歯石はついてないか、歯茎の色はどうか、

口の中が乾燥していないかどうか、普段からチェックしてあげてくださいね。

 


歯茎・口唇の粘膜の色が白くなっています
骨髄の検査の傷です。それほど大きな傷にはなりません
骨髄の中の細胞を染色して観察した様子”