生後5か月のトイプードルちゃん、
自力では立てず、物に寄りかかればかろうじて立ち上がれる位の状態でした。
環椎軸椎不安定症や環軸椎亜脱臼と言われる、
小型犬に時折みられる骨・関節の異常が原因です。
首の1番上の骨(環椎・かんつい)と2番目の骨(軸椎・じくつい)の間が不安定になり、
その影響で脊髄という背骨の中を通る太い神経に影響が出て、痛みが出たり、
時には立てなくなってしまう病気です。
この子の場合、亜脱臼というよりも完全に外れてるんじゃないか、
というくらい環椎と軸椎が離れていました。
その影響で立てなくなってしまったわけですが、
環椎・軸椎を正しい位置に整復して、
プレートで固定する手術を行ったところ、
手術後5時間ほどで立ち上がって歩けるようになりました。
もちろんまだ完全ではありませんし、
まだまだ安静も必要です。
この手術の場合、それなりのリスクもあり、
また手術しても改善しない子もいますが、
この子は非常に経過が良好です。
動物の回復力はすごいですね。
手術を頑張ってくれました
レントゲン画像
レントゲン画像。黄色の丸が首の1番目の骨である環椎、赤丸が2番目の骨である軸椎で、緑の線が示すように骨同士が亜脱臼により離れてしまっています。”