一般内科・外科・予防獣医療はもちろん、救急・腫瘍・血液疾患・免疫疾患

血栓塞栓症

https://www.facebook.com/surugaanimalhospital/posts/1286440798134405

上記リンク先の動画の左後ろ足を引きずる猫ちゃん、

本日退院した猫ちゃんですが

動脈血栓塞栓症という足に向かう動脈の中に、

血の塊である血栓が詰まってしまい、

足が動かなくなってしまった状態の猫ちゃんです。

この動画は治療後、かなり改善した状態ですので左後ろ足の先端以外は動きますが、

この猫ちゃんは来院した時は両側の後ろ足が動かない状態でした。

 

~動脈血栓塞栓症~

動脈内に血の塊である血栓が詰まってしまい、

そこから先へ血液が流れなくなってしまう状態。

動物では猫ちゃんに主に見られ、ワンちゃんでも時折見られます。

動物の場合、後ろ足に向かう動脈内に血栓が詰まってしまい、

突然後ろ足が動かなくなってしまうケースが多く見られます。

物凄い激痛も伴います。

また、前足に向かう血管に血栓が引っかかってしまうこともあります。

その他の部位に向かう動脈にも血栓ができてしまうことはありますが、

その場合は血栓症の診断が非常に困難です。

 

血栓ができてしまう原因は猫ちゃんでは心臓疾患が最も多いといわれています。

(心臓の中でできた血栓が流れて動脈に詰まってしまう)

その他にガンや強い炎症・血液の病気などでも血栓ができてしまうことがあります。

 

静止画の黄色の〇の中は心臓内にできてしまった血栓で、

超音波検査で心臓内の血栓を確認している画像です。

最初の動画の猫ちゃんとは別の猫ちゃんですが、

心臓の中に血栓ができていることが確認できます。

この猫ちゃんは心筋症により血栓症と不整脈を起こしてしまっていました。

今週はこの心臓疾患から血栓症の子が続きました。

 

ワンちゃんの心疾患は心臓の音を確認するだけである程度判断できますが、

猫ちゃんの場合はそうもいきません。

猫ちゃんの心臓の異常をしっかり検出するためには心臓の超音波検査が必要です。


心臓の超音波検査で見つかった血栓”