狂犬病の予防接種の時期になりました。
予防接種の時に身体検査を行いますが、
目の下が腫れている子が今週だけで何頭かいました。
目の下が腫れる原因として多いのが、
歯の根元に膿がたまってしまう根尖周囲膿瘍という疾患です。
簡単にいえば、歯の根元に膿がたまってしまい、
そのせいで目の下が腫れてきてしまう状態です。
ひどくなると下の写真のワンちゃんのように目の下の皮膚に穴が開き、
血と膿の混じったものが出てきます。
歯石が付着している子に多く見られますが、
中には歯石が少ない子でもこのような状態になることがあります
(硬いものを咬んで歯が欠けてしまっている子など)
治療は通常抜歯が必要となります。
上の写真は1枚目の写真と同じ子ですが、
歯石が付着してそこからバイ菌感染が起こり目の下が腫れて、
皮膚が破れてしまっていました。
抜歯処置と残った歯の歯石除去を行い、すぐに改善しました。
これは猫ちゃんでも起こる病気です。
こうなってしまわないよう、
予防として常日頃から歯のケアをしてあげることが大事です。
ある程度歯石が付着してしまった場合には歯石を取る処置が必要です。
またウサギちゃんでも似たような状態になりますが、
ウサギちゃんの場合歯石の付着は少なく、
ウサギちゃんの場合、ワンちゃん猫ちゃんに比べ非常に厄介な病気となります。
膿を出させて消毒するだけでは完治しないことが多く、
抜歯処置をしても完治しないことも少なくありません。
(ウサギちゃん専門の獣医師でも完治する率は高くないとのこと)
下の写真のウサギちゃんは右側の下あごが腫れて、
次の写真は悪くなっていた歯を抜歯した後の様子です。
赤丸の中は歯を抜いた部位です。
この子は幸い完治しましたが、
完全に治ることのほうが少ない非常に厄介な病気のため、
ワンちゃんや猫ちゃん以上に予防が重要です。
とはいっても完全に予防することも難しいのは事実ですが、
咬みあわせの異常を減らすため、
若いうちから乾牧草を十分食べさせること・
乾燥ヘチマなどをおもちゃとして与えるようにすると効果的です。
人間も動物も予防歯科は大切ですね。
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